◆参考(経緯、背景)

〈「豪商スピリット宣言」について〉

地方創生や仕事づくりについて議論する「松阪ルネサンス懇話会」が平成27年に設置されました。松阪商工会議所が事務局となり多様な有識者により3年に渡り意見交換を積み重ね、平成29年にその結果を「松阪ルネサンス宣言」として取りまとめ、市に提出。翌年さらに議論を重ね「豪商スピリットのまちづくり宣言」を起草。松阪らしい企業活動の支援に活かすべく平成31年3月に「松阪商工会議所・豪商スピリット宣言」をまとめ、松阪市長へ報告。現代の企業活動に求められる豪商の精神を持った活動が多くの事業所で行われるよう支援をしていくことを宣言しました。これは産官学民の多様なセクターがパートナーシップでまとめたビジネスやまちが持続可能(サステナブル)であるための〝商いの心得〟であり、〝まちづくりのヒント〟でもあります。豪商の非財務情報の価値に着目しているところが特徴です。 
「豪商スピリット宣言」 https://m-cci.or.jp/?page_id=1002

〈「非財務情報」について〉

経済産業省では令和3年に「非財務情報の開示指針研究会」が立ち上がり、次のように書かれています。

経済産業省は、昨今の企業の情報開示における非財務情報への関心の高まりや、非財務情報の開示指針を巡る世界的な動向変化を踏まえ、非財務情報及びその指針に関する世界的な動向に関する情報の共有を行いながら、質の高い非財務情報の開示を実現する指針のあるべき方向性を検討するため、「非財務情報の開示指針研究会」を立ち上げます。

〝非財務情報〟とは財務諸表など数字で表すものではない情報のことです。たとえば人材、組織力や顧客とのネットワークなど目に見えない無形資産のことを指し、従業員満足度、商品やサービス改善への意欲、マネジメント能力、信頼なども含まれます。「働き方改革」、「ワークライフバランス」、「健康経営」など、仕事や雇用に対する価値観が変わり、経営指導の分野も広がりました。仕事があっても人材がいないことで倒産する〝人材不足倒産〟という言葉も出てきており、早期離職防止、働きがいなど〝人を中心〟に考える時代となりました。この非財務の価値は現代の若者のニーズと合致するところも多く、豪商の持つ精神から学び、「働き続けたい企業」、「地域から愛され続ける企業」の〝続けられる〟サステナブルな企業に期待が高まっています。人的資本経営(ISO 30414)、社会的責任(ISO 26000)も注目される中、〝豪商〟を「たくさん稼いでいる」という〝大きさ・多さ〟の認識で測るのではなく、「永く愛されている(サステナブル、持続可能)」という〝長さ・信頼〟で確認することで定性的な魅力が掘り起こされます。これを「企業の新しい価値創造」であり「豪商のまち松阪らしさ」と捉え、可視化していきます。

経済産業省「非財務情報の開示指針研究会」について
https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210603004/20210603004.html